埼玉県深谷市緑ケ丘18-2
ヴォルテール Voltaire は、ペンネーム。不寛容•蒙昧主義に対して闘った、ルソーとの論争(というかケンカ)でも知られる、18世紀の文人です。
大当たりを取った、『カンディドまたは楽天主義』( Candide ou l'Optimisme, 1759 ) は、大人のおとぎ話。例えて言えば、そう、『千一夜物語』を、短く凝縮したような冒険譚。哲学小説とされていますが、一種のビルドゥングス・ロマン、つまり、若き主人公が、様々な事件を契機として成長する、「教養小説」として読めるかも知れません。
それはそれとして、この作品は、展開が奇想天外、語りの調子も小気味よく、残酷シーンも数多いものの、次から次へと場面が変わり、息つく暇もあらばこそ、一気に読み終えてしまう、ジェットコースターのような作品です。
何という偶然か、堀茂樹氏による新訳が出たばかりなので、カンディド熱が炎上するかも知れませんね。
講師: 橋本順一先生(慶應義塾大学名誉教授)
1948年(昭和23年)深谷市(旧豊里村)生まれ。慶應義塾大学文学研究科博士課程満期退学。1982-84年、フランス政府給費留学生としてモンペリエ大学、パリ第III大学に学ぶ。専門は19世紀フランス文学。とりわけフローベールが研究対象。最近は映画も。現在、慶応義塾大学名誉教授。
主要訳書に『レイモン・サヴィニャック自伝』、『ルイ十六世』(共訳)、『ドラキュラ・ホームズ・ジョイス―文学と社会』(共訳)
橋本順一先生(慶應義塾大学名誉教授)による『フランス・アラカルト』は、2016年度(平成28年度)で第4期目を迎えます。本年度からは教室が下記住所に変更になりますのでご注意ください。 場所:埼玉県深谷市緑ケ丘18-2
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