入江アカデミア(深谷てててて編集局)
埼玉県深谷市深谷町10-28
ジャン・ヴィゴの魅力
ジャン・ヴィゴ賞で知られる、ジャン・ヴィゴJean Vigo ( 1905-34 ) は、わずか4
本の作品しか残していません。2本の短編ドキュメンタリー、『新学期・操行ゼロ』
(中編)と『アタラント号』(長編)は、80年後の今日も色あせるどころか、燦然
と映画史上に輝いています。その才能を高く評価されながらも、若くして結核で逝
去したために、「呪われた映画作家」(最大級の賛辞!)と呼ばれることもあります。
実際、図らずも遺作となった、怪優ミシェル・シモンを起用しての長編『アタラン
ト号』の、見事な演出ぶりに、すでに悠揚迫らぬ大家の手腕を、見て取ることがで
きます。
しかし、ヴィゴといえば、矢張りなんと言っても、『新学期・操行ゼロ』にとどめ
を刺すのではないでしょうか。「子供の世界と大人の世界の対立」という永遠のテ
ーマを、これほど詩情豊かに描いた作品は、後にも先にも存在しないほどです。
『アタラント号』にも出演している、ジャン・ダステが、ここでもいい味を出して
います。
今回はこの作品を中心に、ヴィゴ作品の魅力に迫ってみたいと思います。
講師: 橋本順一先生(慶應義塾大学名誉教授)
1948年(昭和23年)深谷市(旧豊里村)生まれ。慶應義塾大学文学研究科博士課程満期退学。1982-84年、フランス政府給費留学生としてモンペリエ大学、パリ第III大学に学ぶ。専門は19世紀フランス文学。とりわけフローベールが研究対象。最近は映画も。現在、慶応義塾大学名誉教授。
主要訳書に『レイモン・サヴィニャック自伝』、『ルイ十六世』(共訳)、『ドラキュラ・ホームズ・ジョイス―文学と社会』(共訳)
橋本順一先生(慶應義塾大学名誉教授)による『フランス・アラカルト』は、2016年度(平成28年度)で第4期目を迎えます。本年度からは教室が下記住所に変更になりますのでご注意ください。 場所:埼玉県深谷市緑ケ丘18-2
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